タンドラム、スリットドラムについて (さざなみドラムとは?)
タングドラム・スリットドラムの歴史
タングドラムは、音を鳴らす部分の形状が舌(タン)に似ていることからこの名前が付けられました。切れ込み(スリット)を入れて音を鳴らす楽器でもあるのでスリットドラムとも呼ばれています。
木製のスリットドラムなどは古くから存在していたのですが金属製のものは比較的歴史が浅く1990年頃いくつかの原型のようなものが生まれ、その中でも有名なのがフェレ・ベガさんによるタンビロです。2007年にはタンビロに触発されてデニス・ハヴレナというアメリカの方がガスボンベを使ったタングドラムを作る方法を公開し、それ以降世界中で多くのタングドラムメーカーが生まれることになります。
さざなみドラムとは?
私(長谷川敬祐)は2018年にタングドラムの存在を知り、その音色に魅了され製作を始めました。そして研究改良を重ね2020年に生まれた独自のタングドラムをさざなみドラムと命名しました。以下にさざなみドラムのこだわりについて説明します
豊かな倍音
タングドラムには意図的に倍音を響かせているものとそうでないものの二つに分けられ、その判別は打面の模様でわかります。さざなみドラムは打面の中に、入れ込み型の打面(インナースリット)を作ることで倍音を意図的に響かせ、さらにお互いが共振し合うよう製作しています。そうすることで気持ちの良い音響が生まれています。
インナースリットの一部は直線で一部は丸くなっており、スリットによって打面の浮き具合は異なりますがこれらは理由があっ

長い残響音と共鳴/特許庁から査定を受けたオリジナルの楽器
タングドラムの特徴の一つに長い残響音があげられますが、さざなみドラムは、更にその残響をが長く響き、一定の周期でうなるよう、ドラムの形状、材料、スリットの形や位置などの細かな調整を何度も繰り返して適切なものを作り上げました。すべてのスリットが共振しあうように製作することで包み込むような残響音が生まれます。
また、できる限り綺麗な残響音が響くよう本体から発生するノイズを抑制するよう製作しています。
こういった独自の工夫がさざなみドラムには詰まっており、特許庁からも登録査定を受け、他にはない独自性がある楽器として認定されています。
音数の多さ
一般的にタングドラムは音数が少なく音階に抜けがあるという欠点をもっていますがさざなみドラムは外周スリットを使うことで広い音域をカバーしつつも音階に抜けがありません。ですので既存の曲を演奏できます。(※例外としてプチは8音で外周スリット無し、中型はF6が抜けています。)

さざなみプチ
手軽にさざなみドラムの音色を
軽いため動画スーパーボールを入れて揺らす奏法も簡単です。音数が8音のため曲の演奏は小型以上のサイズが向いています。
仕様
音階
8音
C5 D5 E5 G5 A5 C6 D6 E6
ド レ ミ ソ ラド レ ミ
直径
約16cm
高さ
約11cm
重さ
約2kg
付属品
マレット







小型さざなみ
小型でありながら13音
表面スリットにコード・5音音階を配置し、抜けた音を外周スリットで補うことでAb4~F6の調の全ての音をドラム上に配置しています。その為小型でありながら13音という音数を実現することが出来ました。
スーパーボールを使って演奏
さざなみドラムのは中にスーパーボールを入れて演奏できます。奏者の意図が介入せず偶然の響きにより演奏されるので空間を漂うような自然的・抽象的な演奏が可能です。揺らすだけなので誰でも音の空間を楽しめます。この奏法は重量が軽いプチ・小型が向いています。
仕様
音階
13音 (key Eb)
Ab4 Bb4 C5 [D5] Eb5 F5 G5 [Ab5] Bb5 C6 [D6] [Eb6] [F6]
ラbシbド[レ]ミbファソ[ラb][シb]ド[レ][ミb][ファ]
※[ ]内は外周スリット
直径
約21cm
高さ
約16cm
重さ
約2.7kg
付属品
マレット









中型さざなみ

最低音には3つの音
最低音は2つのインナースリットがあり一つは第2倍音、2つ目は完全5度が響くように設計しています。その結果一度の打撃で基音を含む3つの音が同時に7つ共振し「ボワーン・・・・」という重厚で独特な音色が響きます。
調はハ長調
このドラムはハ長調(C)になります。なので人によっては音が分かりやすいかもしれません。小型のように音程は高めで、音の雰囲気は近いです。
仕様
音階
15音 (key C)
F4 G4 A4 [B4] C5 D5 E5 [F5] G5 A5 [B5] C6 [D6] [E6] [G6]
※[ ]内は外周スリット。F6のみ抜けています。E6,G6は構造上少し音が小さく残響音が短いです。
直径
約27cm
高さ
約18cm
重さ
約4.1kg
付属品
マレット











大型凪
柔らかく穏やかな音を
このさざなみはヒーリング的な優しく穏やかな響きを出すことに特化したドラムです。できるだけノイズのない純粋な音を楽しめるよう製作しました。小型・中型とはまた違った響きです。

音の配置は演奏しやすさを優先的に
これまでのさざなみは所々音が外周スリットの配置されており音の配置が少しだけ飛び飛びでしたが、このさざなみはすべての音が順に登っていくようにわかりやすく配置しています。
それにより横一列を叩くと和音になりコードの演奏などもしやすくなっています。
大型凪さざなみの調(音階)はA majorです。小型・中型とは音の始まりが異なるので表現できる演奏が変わってきます。
仕様
音階
15音 (key A major)
A3 B3 C#4 D4 E4 F#4 G#4 A4 B4 C#5 D5 [E5] [F#5] [G#5] [A5]
※[ ]内は外周スリット。G#5 A5は構造上若干音が小さく残響音が短いです
直径
約32cm
高さ
約19cm
重さ
約6kg
付属品
マレット







伴奏用さざなみ
さざなみで曲を演奏
2つで1つのドラム
伴奏用さざなみは小型さざなみの伴奏を担当する目的で製作したドラムです。音は「G3 Ab3 Bb3 C4 D4 Eb4 F4 G4 Ab4 Bb4 C5 D5 Eb6」となっており小型と合わせると約3オクターブ音域が確保できます。
旋律と伴奏を二台で役割分担させることで色々な曲を楽しめます。
演奏のしやすさを優先的に
右手でメロディ、伴奏を左手で同時に演奏するには技術が必要です。できる限りそのハードルを下げるために、すべての音が順に登っていくようにわかりやすく配置しています。その為、横一列を叩くと和音になりコードの演奏などもしやすくなっています。
仕様
音階
13音 (key Eb)
G3 Ab3 Bb3 C4 D4 Eb4 F4 G4 Ab4 Bb4 C5 [D5] [Eb5]
※[ ]内は外周スリット
直径
約32cm
高さ
約20cm
重さ
約6kg
付属品
フェルトマレット・ゴムマレット









共鳴箱
凪と伴奏の低音を増幅
この共鳴箱は凪と伴奏の低音域を増幅させます。
スリットドラム(特に上下のスリットを共振させる構造のもの)は低音を鳴らすのが苦手です。低音を鳴らすには上記の構造をなくし楽器のサイズをでかくする必要があるのですがそれだと場所をとるし重くなってしまいます。また、響きも変わってきます。今のサイズ・音色で低音を大きくするにはどうすれば良いのか試行錯誤してきた結果、現時点では楽器自体から鳴らすのではなく別の機構で低音を増幅させる手法が一番効果的ではないかという結論に至りました。共鳴箱はドラムが箱の真ん中に位置するように置くと最も効果的に音が響きます。なお、伴奏用に共鳴箱を載せて小型と一緒に演奏する際、小型の位置が低くなると演奏しにくいので適宜ちょうどよい高さの箱に置くなどして高さを調整してください。(私の演奏動画でも小型の下に箱を置いていますがそれは高さ調整の目的だけで箱による音の増幅とは全く関係がありません。)
仕様
価格
8,000円
縦横
約40cm
高さ
約5cm
重さ
約2kg
備考
自然の木を使っているので細か部に裂け目などが入ることがあります。また接着箇所に若干のズレや歪みなどがあります。

色について
さざなみドラムは以下の色から一つお選び頂けます。
※画像の撮影状況、モニター環境により、イメージを実際の色と違って見える場合がございます。過去の動画などでここに掲載していない色は現在は製作しておりません。ご了承下さい。
ブルー
メタリックな明るい薄めの青です。若干紫の色味があります。光に当てると輝きます。
グリーン
メタリックな暗めの緑色。光に当てるとエメラルドグリーンに輝きます。アズールブルーより色が濃いです。








ブルー
グリーン
備考
さざなみドラムは個人が独学で製作した自作打楽器です。素材の成形以外は全ての工程を手作業で製作していますので、小さな傷や汚れ、若干の形の不揃いなどがあります。
より良い音を響かせるために日々研究・改良を行っているので注文時と納品時のさざなみのデザインなどが若干異なることがあります。
本ページに記載されている仕様や価格は予告なく変更する場合がございます。